今井醸造 今井醸造

「ぞうめし屋」と各地のカフェを通じて
こだわりの豆味噌を発信する

今井醸造西尾

西尾市、吉良吉田駅のほど近くの今井醸造は、国産原料を使用した豆味噌を製造する小さな味噌蔵です。

今井醸造とぞうめし屋

各地のイベントやマルシェで見かける「ぞうめし屋」という屋号の移動販売車を手がけているのが、こちらの今井醸造。
移動販売車から始まった「ぞうめし屋」には2015年にオープンした実店舗もあり、定食やお弁当に使われる肉みそや味噌煮込みうどんなど、「ぞうめし屋」のメニューには、もちろん今井醸造のお味噌が使われています。
おからなど大豆由来の厳選素材で作られた素朴なドーナッツも人気を呼び、行列のできるお店となっています。

ぞうめし屋

近年は積極的に名古屋市、京都府、東京都にもカフェ形態のお店を出店をし、みその魅力を若い人にも伝わりやすい形で広げています。

「ぞうめし屋」を手がける3代目の今井大輔氏が多忙ということもあり、先代代表(2代目)である、今井有一ご夫妻に今井醸造の味噌づくりについてお話を伺いました。

2代目 今井有一氏

今井醸造のこだわり

まずは、今井醸造の豆味噌の特徴やこだわりを伺いました。

今井醸造では、“無添加・非加熱・天然醸造”にこだわった生みそ、昔ながらの製法にこだわった豆味噌造りをしています。作り方のこだわりは「豆みそ(つぶ)」を見てもらうとよくわかります。大豆を豆のまま、一粒一粒に麹をつけた豆麹で味噌団子にせずに仕込んだ豆味噌は、出来上がったお味噌自体にも粒がしっかりと残っています。

今井醸造の生みそ

“生みそ”とは、文字通り生きているお味噌のこと。
容器に充填したあと加熱殺菌処理がされておらず、酵母や乳酸菌が生きて発酵が進むお味噌です。味噌桶から掘り出したままのお味噌を容器に詰めた状態で販売されます。

生みそのわかりやすい見分け方は、通常売られている常温保存ができるものは加熱処理がされているので、冷蔵庫に入って売られているのは生のお味噌と思っていい、と教えてくれました。今井醸造の商品今井醸造 艶麗豆みそ・艶麗のお味噌汁
定番品「豆みそ」には、この地域の大豆、三河産を中心にした国産のフクユタカと国産の塩を使用。「豆みそ(粒)」は、粒ごとに麹をつけて潰さないように仕上げてあるので豆の粒のかたちが残っていますが柔らかく仕上げてあるので、味噌漉しを通せばきれいに漉せます。

さらに最高級の材料にこだわった、「艷麗(えんれい)」 という豆味噌も作っています。甘みが強くて本当に美味しい国産大豆「エンレイ」と、ほのかな甘みのある沖縄の海水塩・「青い海」を使っています。こちらも昔ながらの味噌と結構違う味わいですので、一度比べていただきたいです。

お味噌汁を作る際は金属の味噌漉しを使わず、すり鉢で軽く擦ってから出汁で溶かしてお鍋に入れるとしっかりと味が残るのでおすすめですよ、とのことでした。

豆味噌造りについて

「愛知でも一番小さい方の蔵だと思いますよ」と言いながら見せていただいた味噌蔵は、木や竹などの自然素材の道具が大切に利用されていました。

今井醸造今井醸造の味噌づくり今井醸造

味噌を作る時にでる「味噌たまり」をひいたり、絞って「たまり」として販売しないのも味にこだわる今井醸造の味噌作りの特徴です。旨味が凝縮したたまりは上から掛け戻し、味噌の中に閉じ込めることで旨味が残るようにしていきます。

味噌樽味噌たまり

小規模で手作業が多いことについて、機械化したり、効率をもっと良くできないか、ほかの蔵元ではもっといいやり方があるのではないか、とお話しされていました。

今井醸造

味噌蔵を見せていただく中で、各工程で代々道具を自作したり、手作業をしながら発酵の進み具合や麹の状態などを目視や匂いで確認し、全身を使って仕込み全体の状態がよいままに保てるように気を配りながら味噌作りをされていることが伝わってきました。

若い人が「ぞうめし屋さんのお味噌屋だ」とお店を覗いてくれるのが嬉しい。

今井醸造の味噌作りは、パートさんの助けを借りながら、今井さんご夫妻と大輔さん、2男と、家族経営で仕込みから蔵出しまでを行っています。

今井醸造の味噌

お客様は常連さんが多く、また、ここのお味噌でないとという根強いファンの方がネット販売や通信販売などでも購入してくれているとのことで、刈谷市のハイウェイオアシスなどで試しに買って、もっと内容量の多いものを求めて蔵元まで直接買いに来てくださる方もいるそうです。

3代目の大輔さんは各地の店舗運営などで忙しくしているので、「できるだけ味噌作りの方では負担がかからないように…」との言葉に、両親としての心遣いを強く感じました。

今井醸造の味噌づくり「ぞうめし屋さんのお味噌屋さんだ」と、これまであまり来ることのなかった若い人たちがお店を覗いてくれるのが嬉しいと語る有一さん

3代目、そして4代目へ…。
代々守り続けたい今井醸造の味。

今井醸造は、ぞうめし屋の店舗を始めるタイミングに合わせて、3代目の大輔氏に代替わりしたそうです。ぞうめし屋

創業の頃について伺うと、大輔さんの祖父(有一さんの父)である初代は、太平洋戦争でそれまでの稼業であった酒蔵を一旦閉じ、時代に合わせて当時の手堅い商売として、味噌作りを始めたとのことでした。そのおじいさんに誘われるかたちで、ファッション業界に身を置いていた大輔さんが戻ってきてくれたそうです。

有一さんにこれからの今井醸造について伺うと、「(大輔さんが戻ってきてくれてから)夫婦で新しいパッケージを作ったり、移動販売を始めて店舗もできてとがんばってくれているので、私としてはもう、これからもずっと今井醸造が続いていってくれるといいなということだけですね」と笑顔で話してくれました。

屋号を「ぞうめし屋」がいいと名付けたのは大輔さんのお子さんとのことで、そのお孫さんにも最近少しずつ味噌に乗せる重石を運んでもらったり、今井醸造で働いてくれるように、少しずつ仕事を覚えてもらっているのだと話してくれました。重石

昔ながらの製法を守り、新しい取り組みで発信する味噌蔵

「朝食にご飯をあまり食べなくなり、お味噌も使わなくなった」「日本酒が飲まれなくなっている」。愛知だけでなく、各地の蔵元の見学に行くと食文化やライフスタイル、ニーズの変化の話をよく伺います。

こうした環境の変化に対応し、加熱調理に向いた豆味噌の特長を生かしたメニューを提供することで、豆味噌の魅力を発信していく。
きれいな色使いや可愛いモチーフのフォトジェニックなメニュー、レトロテイストな外観の喫茶店、音楽イベントやマルシェ等での移動販売など、新たな取り組みで様々な世代に魅力を伝える今井醸造は、昔ながらの製法を守る、最新のお味噌屋さんでした。ぞうめし屋

今井醸造
愛知県西尾市吉良町吉田亥改113
http://imai-miso.com/

今井醸造(通信販売)
http://www.imai-miso.com/item/category/item

「ぞうめし屋」
愛知県西尾市志籠谷町欠下53−1
http://www.zoumeshiya.com/

ぞうめし屋のドーナッツ

「喫茶ゾウメシ」
愛知県名古屋市西区菊井1丁目24−13

「喫茶ゾウ」
京都府京都市上京区三丁町440-3

「喫茶パオーン」
東京都世田谷区船橋1丁目1−12